新人ホームヘルパーの1日

佐々木育美さん(仮名・34歳)は、ホームヘルパー1年生です。通信教育で介護職員初任者研修過程を修了して、民間の介護サービス会社に登録をしました。登録後、研修機関を経て、ようやく仕事がスタートしました。

 

仕事を始めて2週間。研修では得ることができなかった仕事の難しさを実感しながらも、前向きに仕事に取り組んでいます。その日は、朝6:30に起床。朝食を取って、旦那さんと子供を送り出し、後片付けと洗濯を済ませて、仕事に向かう身支度をします。

 

身支度で欠かせないポイントは、動きやすいスタイルで出勤をすることです。研修の際に、スカートで参加してしまった佐々木さんは、先輩ヘルパーから「動きやすいジーンズやチノパンがおすすめだよ」とアドバイスを受けました。

 

持ち物は、エプロンとゴム手袋です。それぞれ2組づつ準備をして、出来る限りコンパクトにまとめてバッグに入れます。訪問先で盗難などの疑いをかけられないように、会社から小さなバッグで訪問するように指導されています。

 

「なぜそこまで?」と思われる方もいるとは思いますが、ホームヘルプをする側、ヘルプされる側ともに、わだかまりなく仕事を進めるためには大切ことなのです。

 

佐々木さんは、朝9時過ぎに自宅を出て、バスに乗って訪問先へ向かいます。最初のお宅は、30分もあれば到着する近場なのですが、気持ちに余裕を持つためには15分前には到着しているのが理想になります。

 

1件目は68歳の女性宅。半年前に脳卒中を起こしてしまい、半身麻痺状態で寝たり起きたりの生活を繰り返しています。普段はご主人や、同居している息子さんが介護をしているのですが、70歳近いこともあり無理は禁物です。週3回生活援助や食事、着替えなどの介助を依頼しています。

 

挨拶を終え、訪問宅で気持よく受け入れて貰うためには、とにかく第一声が大切だという講師の言葉を思い出し実践しています。

 

旦那さんに出迎えられて、自宅に上がります。他人の家なので、「お邪魔致します。」「失礼致します」と一つ一つ確認の声掛けをするのは基本中の基本です。つい忘れがちになってしまう部分ではありますが、実践していくうちに自然と声も出るようになってきます。

 

部屋に入ったら、まず「〇〇さん、ご気分はいかがですか?」とフルネームで問いかけましょう。例え寝たきりの方でも、相手の人格を認め、尊重して接することはとても大切です。相手も「おはようございます。」とゆっくり声に出して応えてくれると思います。